FC2ブログ

無料カウンター







Liverpool Care Pathway 

今朝、緩和ケアで入院していた患者さんが亡くなりました。

うちの病棟は今のところ人手不足で夜勤帯は看護師一人、ケアラー一人で16人の患者さんを看ています。
昨日の入院患者数は週末ということもあって14名。脳梗塞や骨折後のリハビリで入院している高齢者の患者さんが12名、緩和ケアの高齢者の方が2名という内訳でした。
緩和ケアの患者さんのお一人は先週からシリンジドライバーという24時間の持続皮下注射で麻薬や鎮静剤などを投与する小型の機械で麻薬が持続投与されていて、金曜からかなり意識レベルが落ちてきていました。
緩和ケアの分野で用いられているリバプール・ケア・パスウェイという死期が迫っている患者さんに用いる看護記録も先週からこの患者さんの記録で使用されるようになり、いつお亡くなりになってもおかしくない状態ではあったんです。

でも私は日本にいるときから本当に「つかない」ナースだったので、日本で働いているときも患者さんの死に立ち会うことってほとんどなかったんですよね。
でも今の病棟で働くようになって何人かの患者さんは看取ってきたんですが、そういう時は大抵もう一人看護師がいる勤務の時だったので私一人で全て対応するってことはなかったんです。
でも昨日の勤務は私しか看護師がいない状態で、うちは常駐の医師もいないので全て一人で仕切らなきゃいけなくて大変でした・・・。

シリンジドライバーのチェック、リバプールケアパスウェイの記録、亡くなられた患者さんの家族への対応やそれと平行してリハビリの患者さんのトイレ介助やその他のケアもあるのでなんだかバタバタした勤務でした。

すごく残念だったのは頻繁に顔を出されていた家族の方が患者さんの死の瞬間に間に合わなかったこと。
患者さんの家族を呼ぶタイミングって本当にすごく難しい。呼吸状態は低下しているものの比較的安定していたのがいきなり呼吸が止まってしまったので予期することが出来ませんでした。

もう一人ナースがいればお互いの意見を交換できるので一人で背負い込むこともないんですが、昨日のようにすべて私の判断で決めなければいけない状況だと「もっと早くに家族の方を呼んでおけば間に合ったのではないか」と考えてしまいます。
家族の方も覚悟はしていたものの同じように色々後悔してしまうようで「家に帰らずに一緒にいてあげていれば死の瞬間に立ち会えたのに」とおっしゃっていました。
家族の方の後悔の念を和らげるために「突然でしたが安らかな死でしたよ。それに昨日一日ずっと一緒にいらっしゃったことは患者さんにも伝わっていますから。」ということは伝えたのですが、こういうときにかける言葉って本当になんて言ったらいいのかといつも悩んでしまいます。私自身、今まで身内の死の瞬間にいつも立ち会えないできたので、家族の方の気持ちがわかるだけにつらい・・・。


ただ一つ救いだったのは苦しまずに安らかにお亡くなりになられたこと。家族の方がそばにいる時に亡くなられていたらこんな気持ちにはならなかったんでしょうが・・・。
この仕事に就いている以上こういう思いがついてまわるのは仕方がないというのはわかっているんですが、家族の方に見守られずに亡くなられる方をみてしまうとついついやりきれない気持ちになってしまいますね。


スポンサーサイト




[2007/06/17 17:45] イギリスの医療 | TB(0) | CM(6)

NHS Dispatches 

今5月提出の課題を二つ抱えています。
そのうちの一つがメディアで取り上げられた高齢者に関するトピックを一つ選んでプレゼンテーションを行い、その後論文を提出するというものです。

今日チャンネル4でNHSの資金難に関する問題を取り上げたドキュメンタリー番組をやっていたので課題に使えるかなと思い観てました。

観た感想は、あまりのNHSの現状のひどさに途中で観るのをやめたくなりました。

一応大学院で公共政策を学んだ立場としては今のNew Labour政権のNHSの資金難に関する楽観過ぎる見通しは本当にお粗末としかいえないと思います。
この番組でも日本で言うところの厚生労働省のような機関の代表者が出ていましたが、インタビュアーの意見を聞かずにひたすら言い訳と自分の主張を言い切っただけで、今NHSが抱える問題点をどこまで彼女が理解しているのかも伝わってこないなんとも滑稽なインタビューでした。

現場の専門家はみんなこのままではNHSは衰退しますますひどい状況になると言っていますが、政策を決める政治家達がどれほどこの問題点を理解しているのか・・・。
ブレア首相は国会で「わが国の保健システムは他国の羨望を集めている」とのたまってますし、Department Of Healthの代表者も「2006年はNHSにとって最も素晴らしい一年だった」なーんて現状を全く正視していないコメントを言ってますからこのままNew Labourの政策方針が変わらなければNHSの危機的状況が悪化するのは間違いないでしょう。

うちの職場もここのところ毎日人手不足ですが未だに求人広告は出ていませんし、新しいFinancial Yearに入ってからでないとこの現状は変わらないでしょう。

このトピックを選ぶとあまりにも気持ちがすさみそうなので課題には他のトピックを選ぼうと番組を観終わってから思いました。

日本で介護保険策定委員会の委員をしていた時も実際に保険料を決める現場の人間の知識不足には閉口してましたが、東京などでは介護保険策定委員会の委員を一般からの応募も受け付けるようになってきていますし、日本のほうがイギリスに比べると救われる要素は多いような気がします。

来月にはイギリスの看護師免許の更新をしなければいけません。
私の現在の職場での就労許可はあと二年半。未だに看護師の就職難の状態は変わっていませんし、二年半後にビザが更新できるかどうか怪しい状態です。苦労して取った免許が紙切れになってしまわないといいですけど。





[2007/02/27 06:26] イギリスの医療 | TB(0) | CM(1)